【アクチュアリーが教える】
定期保険は仕組みが分かれば損をしない

保険加入中の方 保険料を安くした後は? 保険料を安くする 保険検討中の方 商品別

この記事さえ読んでおけば、定期保険については大丈夫という内容を書いていきます。やや量が多いですが、一通り目を通せば生命保険の理解レベルが格段に上がりますので、さらっと読んでみてください。

実際に保険会社で商品開発を約5年行なっていたので、信ぴょう性はそこら辺の営業マンやファイナンシャルプランナー的な人よりは30倍くらいあると思います。

目次

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定期保険で失敗する3パターン

定期保険に限った話ではないですが、生命保険は高価な買い物ですから、他の人がどういう失敗をするかを知っておくのは大切です。多くの場合は、事前の勉強不足や知識不足が原因です

ここをしっかり読むだけでも大抵のトラブルは防げます。

具体的な失敗例を知った上で、この後の本質の話を読むと、めちゃくちゃ理解が進んで、鬼に金棒です。

掛け捨て!

もしかすると定期保険という名前より、掛け捨て保険という名前の方がメジャーかもしれませんね。払った保険料を捨てるという名の通り、解約したり、契約が終わった時にはほとんどお金は戻ってきません。

保険初心者「おい!あれだけ保険料を払ってきて、結局保険の世話にならなかったんだから、金返せよ!」

というのは割とありがちな不満ですが、そういう保険です。

宝くじ外れて、金返せって言ってるのと変わらないです。これがピンと来ない方はこちらに目を通していただくと、レベルがめちゃくちゃ上がって理解が進みますのでぜひ。

 

一生涯の保障はない

定期保険は、期間が定まった保険という略でして、一定期間の保障しかありません。

1日でも過ぎたらダメ

契約期間を10年で設定したとしましょう。契約から10年と1日経って残念ながらお亡くなりになったとして…お金は一円たりとも貰えないです

酷な話ですが、しょうがないです。

パチンコを同じ台で10時間打ち続けて、鳴かず飛ばずで諦めて帰った直後に、自分がいた台で他人が大当たりを決めても、それは他人の当たりですよね。宝くじで1の位だけが、微妙にずれていたみたいな感じです。

惜しくても、お金は0円です。

勝手に保険料が上がる

例えば契約期間が10年だとしましょう。この10年が終わったときに、何もしなければ保険が更新という形で継続されます。

これがなかなかすごい仕組みです。自分で契約やめます!と高らかに宣言しない限り、この場合10年ごとに更新が続いていき、90歳くらいまでは保険が続いていきます。

しかしこのやり方にも一理あって、知らぬ間に保険の契約が終わっていて、そこで運悪く亡くなったら「保険に入ってるつもりだったのに、勝手に契約が終わっていた!」というクレームが噴出するわけですね。

それなら「勝手に更新されてた!知らぬ間に払っていた保険料返せ!」のクレームの方がましですよね。少なくとも、亡くなられた方をお守りはできるわけですから。

保険の契約で大事なのは終わりどき

定期保険の場合、契約を終わらせる方法は2つ。

・死亡
・解約(契約の途中で終わらせる、または更新をしない)

つまり生きている限りは自分で保険を止めなければいけません。

ここをしっかり意識しておきましょう。意識するだけでなく、決めておくのも重要です。いつになったらこの保険を終わりにするのか、後ほど説明するポイントを踏まえて考えましょう。

保険料爆上がり【クレームの最上位】

ちなみに、先の例でいうと、1回1回のそれぞれの10年間は保険料が変わらないのですが、更新すると保険料が爆上がりすることが多いです。これが多くの生命保険に対する不満やクレームの最上位にくるやつです。

なんでこういう現象が起きるのかは、後ほどわかりやすく解説しますね。

保険を検討する際に大切な4つのポイント【定期保険に限らない】

次の章で定期保険の本質をわかりやすく説明しますが、ここでは生命保険全般で使える大事なポイントを4つ紹介します。

すでに保険に加入してる人にとっては、暗記しているかどうかチェックすべき事項になります。

なんの保障か

定期保険というのは、死亡した時にお金が払われます。

簡単でシンプルですが、しっかり把握しておきましょう。保険をかけている本人だけでなく、ご家族の方も全員です。もしものことがあったら、保険会社にお金くれ!というのは、残された家族ですから。

あとは高度障害という、かなり重症な状態になった場合も同様にお金がもらえます。

高度障害状態とは?

  • 両眼の視力を全く永久に失ったもの
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  • 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  • 両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

引用:生命保険文化センターHP

ポーカーをやっていて、どんな役が強いのか、スロットで何が出たら当たりなのか知らないってヤバイですよね。生命保険も同じですよ。

いつからいつまでか

当たり前ですが、契約期間は重要です。

いつまで保険会社が自分のことを守ってくれるのかは、知っておいて当然ですよね

マクドナルドのクーポンだって、いつまで使えるか気にすると思います。

なんでこんな簡単なことが、生命保険になると途端にできなくなる人が多くなるかというと、長期間だからです。

20年間保障します、とか言われても人間は一つの事を20年後もしっかり覚えてられるほど頭良くないです。

自分の保険がいつまで掛けられてるのかは必ず知っておきましょう。

いくらの保障か

死亡したらいくら保険会社から貰えるのか、しっかり知っておきましょう。

この保障額というのは、万が一死亡した時に家族を養うお金になると思いますが、この金額って子供の成長具合や、貯金額などで、変わってくるはずですよね。

保険は全部解約するのではなく、一部だけ解約というのができます。今まで死亡したら3000万円もらえる保険だったのを、2000万にして保険料を安くすることができます。

このように不必要に保険料を払うことを防ぐためにも、自分にいくらの保険が掛けられているのかは大事な情報です。

【最重要】トータルの保険料

保険を検討中の方は、契約を全うするまでに自分がどれだけ保険料を払うことになるのか、しっかり掛け算をしましょう。月1万円で契約期間が10年なら、120万円のお買い上げです。普通にエルメスとか買えてしまう額ですからね、大事ですよ。

すでに保険に加入している方は、同じく残りの契約期間で、あとどれくらい払うことになるのか、掛け算しましょう。

トータルの保険料を知ることで、保険を考える際の真剣味が増して、その都度、自分に今必要な保障額などを見直していく気になると思います。

CMやネットの広告では、月々の保険料しか見せませんからね。自分で掛け算するのが最重要です。

 

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簡単にわかる、定期保険の仕組み

生命保険の仕組みなんて知る必要ある?という声が聞こえてきそうですが、あります。仕組みを知らないことで、生命保険に対して要らぬ不満を抱く可能性大です。

不満だけなら良いですが、トラブる可能性も出てきます。

安心してください。わかりやすく解説します。

死亡したらお金がもらえる宝くじ

非常に不謹慎な例えですが、定期保険は、1等が”死亡”の宝くじと思えばOKです。(2等以下はないです。)

契約期間中に死亡したら、当選ですのでお金がもらえます。何でわざわざこんな例えをしたかには理由があります。

宝くじは1回こっきりですが、定期保険は10年や20年という長期の契約になります。

つまり毎年、1等が”死亡”の宝くじやってると思えば良いです

宝くじと違う点

毎年当選確率が上がっていくことです

基本的に大人は、年齢を重ねることで、病気にかかりやすくなり、死亡しやすくなります。つまり当選確率が上がっているわけです。

みなさん想像してほしいのですが、当たりやすい宝くじって、価格が高いはずです。

例;ほぼ全員、3億円が当たる宝くじの値段ってめちゃくちゃ高いですよね?価格は2億数千万円くらいはしないとおかしいです。通常の300円のわけないですよね。

当選確率が上がれば、宝くじの価格も上がっていくわけです。

保険の話に戻ります。

なぜ毎月、毎年同じ保険料?

多くの人が疑問に思わない点ですが、これまでの文章を読んでいただいた方は、不思議に思ったかもしれません。なんで毎月、毎年、同じ保険料なの?

ご自分の年齢でも調べていただきたいですが、例えば、ライフネット生命の定期保険です。

30歳男性が10年間、死亡したら1000万もらえる定期保険は、毎月1,068円です。10年間ずっとこれです。

おかしいと思いませんか?当選確率が上がれば、宝くじの価格も上がっていくはずでしたよね。

毎年当選確率(死亡する確率)は上がっているのに、なぜか保険料は毎年同じです。

保険会社のさじ加減

本当は、毎年保険料は上がっていくものです。

でもそうすると、感覚的に嫌じゃないですか?解約したくなりますよね。あと人生計画立てづらいです。

毎月、毎年同じ保険料って結構メリット多いんですね。

だから保険会社は、本当はだんだん当選確率が上がっていくので、保険料も上げるべきところを、平均してならしたわけです。つまり、最初は本当に必要な保険料より多くもらってます。最後の方は、もっと必要だけど少なく保険料をもらってます。

これが毎年同じ保険料であるカラクリです。

こんなこと知って何になるの?と思われるでしょうが、次の話に効いてきます。

【重要】保険料爆上がりの仕組み

冒頭に説明しましたが、定期保険は例えば10年契約だとすると、10年が終わった段階で解約をしない限りは勝手に更新されて、また10年契約がスタートします。

更新をやめたい場合は連絡しろと、しれっとハガキは送られてくるのですが、まぁ気づかないですよね。自分でちゃんと覚えておく必要があります。

勝手に気づかず更新されて保障が続くだけならまだしも、更新した瞬間に保険料が爆上がりしてるんですね。これがトラブルの元です。

先ほどの説明をもう一度簡単におさらいします。

本当は毎年当選確率(死亡する確率)が上がるので、保険料も毎年少しずつ上がっていくわけですが、それだと色々面倒なので平均っぽくしています。だから一つの契約期間ではずっと同じ保険料です。

このやり方のせいで、保険料爆上がりが起きます。

30歳の人が定期保険に10年契約で入ったとします。最初は、30歳から39歳の10年間の平均が保険料です。次の10年以降の保険料はこう変わっていきます。
40歳から49歳の平均の保険料→50歳から59歳の平均の保険料→60歳から69歳の平均の保険料→…

つまり、上がるときは一気に10歳分の保険料が上がっています。これが更新時の保険料爆上がりの正体です。

もし自然に、毎年保険料が上がっていくだけだったら、1歳分ずつ少しずつ緩やかに上がっていきます。

10年ごとに平均取るからこういうことになるんですね。

別に損しているわけじゃない

で、ここで大切なのはただ1点。保険料が爆上がりしていたとしても、詐欺をしているわけじゃないということ。

ここを勘違いしてクレームが生じるのですが、保険料の爆上がりに罪はなく、これ自体は損をしているわけではありません。

問題は、勝手に更新される仕組みの方です。

冒頭でもお伝えしましたが、大事なのはやめ時です。保険会社に言われずとも、自分でいつ契約をやめるかは決めておいて、勝手に更新されるのをしっかりと防ぎましょう!

どこの保険会社から定期保険に入れば良い?【おすすめの会社はただ一つ】

今までの話を読んだ結果、定期保険に入ってみようかしらと思われる方のために、どこの保険会社から加入すれば良いのか、おすすめをお伝えしておきます。

結論はシンプル

一番安い保険会社から入れば良いです。

月々の保険料では、100円程度の差でも、10年積み重ねれば、1万円以上の差になってきます。高い焼肉が食べられてしまいます。

生命保険を検討するときには、この感覚が麻痺してしまうので、繰り返しになりますが、先ほど最重要と言ったトータルの保険料をしっかりと頭に入れておきましょうね。

食べ物で考えると、ただ安いって何だか危険な香りがしますが、生命保険の場合は大丈夫ですよ。

詳しい理由はこちら(工事中)をご覧いただければと思います。

保険ショップにいけばOK

最安値を探す、他者と比較するというと、価格ドットコムを思い浮かべるかもしれませんが、あまりオススメしません。シンプルに使いづらい、見辛くて間違いやすいというのが理由です。

あと定期保険のようなシンプルな保険ならまだマシですが、医療保険となると、もう一般の方が一人で比較するのは無理と思っていただいて大丈夫です。

保険見直し本舗や保険の窓口など。CMでおなじみの大手の保険ショップに行けば、国内にあるほぼ全ての保険会社の取り扱いがあるので、自分で決めた契約パターンを伝えて、一番安い保険会社を教えてください、と伝えれば教えてくれます。
保険見直し本舗

保険料を聞いて問題なければ、そのまま契約できますので楽チンです。

ネットや営業マンから保険に入るのはあまりオススメしていませんが、強いこだわりがあるならそれでも良いでしょう。

誰から保険に入るのが良いのか、比較した記事があるので興味があれば読んでみてください。

 

積立型の保険とどっちがおすすめ?

死亡に対して備える保険というと、必ず議論になるのが、今回の定期保険のような掛け捨てと、終身保険のような積立型の保険の比較です。アクチュアリーのオススメを紹介します。

掛け捨て一択

まずもって議論になりようがないのですが、死亡に対して備えたいのなら掛け捨ての保険一択です。

えー掛け捨てなんて勿体無い…という方は、終身保険を選ぶことになります。

終身保険は、身が終わるまで、の略でして、要は期間が定まってなくて、100歳になっても保障は続きます。

終身保険に加入すると、数十年後には、だいたい払った保険料分くらいの金額が貯まっているので、その時点で契約すれば概ね損をしないで、もしくは少し得をすることができます。

損をしたくない国民性が特に強い日本人にはかなり人気の商品なのですが、それでも私は終身保険で死亡に備えるのは反対です。

終身保険が向いているのはただ一つの目的

もしものときに備える保険として終身保険は向かないです。一生涯の保障ってすごく魅力的な言葉なのはわかりますが、忘れてはいけないのは、”もしも”のときに備えたいという大前提の目的です。

一生涯、死亡に備えるって、それはもはや”もしも”じゃないです。”絶対起こること”に備えています。

絶対当たる宝くじは値段高いに決まってますよね。これと同じで、終身保険も定期保険に比べてかなり高いです。

すごく大事なことなのでもう一度言いますが、終身保険の存在意義は、”もしも”の時の死亡に対する備えではないです。”絶対に起こる死亡”に対する備えです。

シンプルに言えば、死んだら必ずお金がかかることに対する備えであれば、終身保険は向いてます。

終身保険に入る意義

それはただ一つ”お葬式への備え”です。もちろん暮石などを含んでも良いです。

これを定期保険で備えるのはアウトです。絶対に起こることに対して、賭けはやっちゃダメです。定期保険はギャンブルですから。

ここではだいぶ抽象的に、イメージで話したので、より詳しく、わかりやすく知りたい方は、掛け捨て保険VS積立型の保険について、別に記事(工事中)で書いているので、そちらをご参照ください。

定期保険の保険料を節約するとは?

金融系の専門家やインフルエンサーは、割と生命保険は最低限でOKで、保険料は無駄遣いくらいのテンションで主張を繰り広げていますが、保険料の節約と同時に、考えなければいけないことがあるので、説明しますね。

(以下、工事中)