20代独身でも生命保険に入った方が良いたった1つの理由

保険検討中の方

保険のプロ「20代独身に生命保険なんていらない。」

という記事に反論しつつ、こう断言しちゃう人は結構残念だという話をします。

結論から言えば、20代独身でも保険に入る意味は全然あります。

保険の裏側やカラクリなどをいじくるアクチュアリーという職業に就いていた私も20代独身で入っていましたよ。

目次

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20代独身で生命保険は不要と専門家が言う理由

ファイナンシャルプランナー的な人が、ネット記事でよく書いているのは、20代の独身、生命保険不要説です。

よく見かける理由は、主に3点あります。

死んでも経済的に困らない

20代で独身の方が亡くなっても、それによって経済的に困る人がいないんだから、保険に入る必要はないという理屈です。

これは一理あって、保険は、もしもの時に困ることが起きないようにする手段ですから、死んでも経済的に困らないのなら、確かに入る必要はないと思われます。

それでも個人的には保険に入るのはアリと思っているので、もし理由が気になる方は、最後まで読んでみてください。

貯蓄で賄える

20代独身の方が死亡した場合には、少なくとも自分は困らないので置いておくとして、気になるのは病気をして入院や手術をすることになった場合です。

これは年齢や結婚してるかどうかに関わらず、医療保険は果たして必要なのか、という大きなテーマにもなってくるので、もしより詳細なことを知りたい場合は、こちらをご覧ください(工事中)

ここでは要点を超簡潔に分かりやすくまとめます。

  • 高額療養費制度
  • 医療保険でお金がもらえるのはどんな時?
  • 保険料の相場を知って、コスパを考える

高額療養費制度

どれだけ治療にお金がかかっても、1ヶ月に払う医療費は上限が決まっているので全部払う必要はないですよという、最強の制度です。

私は学生の頃、鎖骨を折って手術を受けた際に利用したことがあります。

あまり収入がない人は、1ヶ月の上限は約6万円くらいで済みます。(収入の多寡によるので、詳しくは、協会けんぽのHPをどうぞ。ここではめちゃくちゃざっくり書きます)

治療が長期化したとしても、毎月約6万円のみ払えばOKですし、4ヶ月目からは、さらに減額されて、44,000円程度になります。

半年間、治療を受け続けて医療費がかさんだとしても、実際に払う額は、概ね約35万程度で済みます。

これくらいなら貯金で賄えるでしょ、というのが多くの人の意見です。

医療保険でお金がもらえるのはどんな時?

勘違いしやすいのですが、医療保険といっても、かかった医療費を全部保険会社が払ってくれるわけではありません。

分かりやすく言うなら、入院・手術保険です。

入院か手術をした時にお金がもらえる

どれだけ重い病気になって治療を受けたとしても、入院も手術もしてないのなら、もらえる額は0円です。
さらに、日本の病院のベッドは不足していますので、基本的に長々と入院させてくれません。

保険料の相場を知って、コスパを考える

医療保険の説明を聞いたら、あまり魅力ないじゃんと思われるかもしれませんが、これが例えば月々10円程度の保険料だったら入る人多いと思います。要はコスパが大事なわけです。

ということで、自分の年齢でどれくらいの保険料がかかるのか、相場を調べましょう。
今ここを読んでる時に調べないと、この先も調べないと思うので、ぜひ手を動かしましょう!どこの保険会社でもOKですよ。

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例を載せておきます。

  • 30代男性の一生涯の保障
  • 入院したら1日につき1万円
  • 手術は種類によって、20万円(もしくは5万円)
  • この条件の、ある保険会社の医療保険

月々3000円弱です。

どうですか、このコスパは人によって感じ方が違うので、ぜひ自分の年齢で保険料を調べて考えてみてください。

20代ではほとんど死なない

保険のヤバいプロ「20代で死亡したり大きな病気にかかることなんてほとんどないんだから、保険に入る必要は一切ない」

今まで2つの理由と違って、これはヤバめの意見なので、反面教師として学びましょう。

上記は某有名雑誌のネット記事にあった文章そのまんまです。さらに続けると、

60歳までの死亡率を見ると、男性は8.1%、女性は4.3%です。そう。ほとんどの人は60歳まで生きるということ。

なにが正解とか間違いはないのですが、こういう考え方する人って結構ヤバイので耳貸さなくて大丈夫です。

保険に入るという選択肢を取らないこと自体はアリ

生命保険は一種のギャンブルですから、死なない方に賭ける(保険に入らない)こと自体は別に良いと思います。

ただ、ほとんど起こらないから、保険に入る必要は”一切”ない、ってヤバイです。

交通事故なんてほとんど起こらないからという理由で、危険運転しかねないタイプです。

個人的な倫理観は置いておいたとしても、この保険のプロ?の方が、もっと残念な理由があります。皆さんはここでしっかり学んでおきましょう。

保険は、よく当たるものに賭けるのに向かない

この人の「ほとんど起こらないから保険に入る必要がない」論理はつまり、「割と起こることに保険をかけなさい」ということです。

ここで重要なことを覚えておいてください。

保険というのは、大量に損する人がいて成り立つ仕組みです。

分かりやすい例

死ぬ確率が1%の集団が100人いるとしましょう(つまり1人死ぬ)。1万円ずつ、計100万円を集めました。

残念ながら亡くなってしまった1人の遺族に、集まった100万円を渡す、これが生命保険の成り立ちです。

100人中、90人が病気にかかるとしましょう。

同じように1万円ずつ集めて、病を患った人にお金を渡すとすると、もらえる額は、たった約11111円です。保険を使う意味がほぼないのわかりますよね。手数料とか一切取られないで、これですからね。

保険は、あまり起こらないことに使うから意味がある。

これ暗記しておいて損はないです。

生命保険の裏側を知るアクチュアリーが、それでも20代独身で保険に加入した理由

ここまで読んだ方は、やっぱり20代独身って保険必要ないじゃんと思われたかもしれませんが、私は保険に加入していました(今も)。

よく保険の営業マンは、取引先の代理店との付き合いなどで、保険に入らされることが多いですが、その類ではないです。

アクチュアリーという、今回ご紹介したような医療保険などの諸々の保険料や収益等々を計算するデスクワークのお仕事です。

私が入った保険

詳細はややこしくなるので控えますが、加入しているのは死亡保障の保険です。
私が死んだら、お金が両親に渡るようになっています。

私が死んでも経済的に困る人は、この世にはいないので、冒頭に説明した考えだと、保険はいらないことになりますが…

手軽な親孝行

ブログのような場所で大っぴらに書くと偽善っぽいですが、端的に言うと死んだら親孝行ができなくなるからです。

これまで育ててくれた御礼を何倍にもして返す予定が、先に死んでしまったら親孝行もできないって割と悲しすぎました。
恥ずかしながら大金を相続できるほどの貯金はまだありません。

せめて死んだ時に、数千万円でも親の手元に残るようにすれば、ちょっとは成仏できるでしょう。一人息子ということもあり、私にとっては結構大切なことでした。

さて大切なのはコスパということでしたが、この親孝行にかかるコストはどれくらいなのか。

例えば、25歳男性が10年間のあいだ、死亡したら3000万円もらえる保険のお値段は、某保険会社だと月々だいたい2500円です。

感じ方は人それぞれですが、結構安いと思います。

よく保険は家の次に高い買い物で、長期にわたって払う保険料は高額になると言いますが、今回の場合は、永久に払うわけではなく、しっかり稼いで貯金を作れるようになるまでと思えば、10年で良いかと。

飲み会1回スキップするか、サラリーマンなら1時間多く残業すれば、作れる額なので、結構アリです。

今しかできない経験にお金を使う

保険のプロ「20代独身には保険はいらない。むしろ若いうちにしかできない経験や勉強にお金を使ったり、将来のためにお金を貯めた方が良いでしょう。

こういうこと言う保険の専門家が割と多いですが、若いうちにしかできない経験ももちろん大切ですが、むしろ親孝行って生きてるうちにしかできないですからね。安い飲み会1回程度のお金を払うだけで、親孝行できるわけですからコスパかなり良いと思いますよ。

オススメしているわけではないのですが、「20代独身は保険いっさいいらない」というのは微妙じゃない?というお話でした。